もっと知って、もっと美味しく。

今や日本の食卓には欠かせないお肉ですが、

実は意外と知らない事実も多いはず。

食肉のプロ・石井食品が、お肉をもっとおいしくなる情報をお届けします。

国産牛ホルモンへのこだわり

牛ホルモンは鮮度が命!処理されてからは、如何に早く処理するかが美味しいホルモンにするための秘訣です。 当社では食肉処理場に専属の常駐社員を派遣し、熟練された技術によって処理・洗浄・冷却の工程を行い、 毎日新鮮でおいしいホルモンを仕入しています。

 タン

牛内臓の中でも一番メジャーな存在のタン。 先端は脂サッパリのコリコリ食感。 根元は脂のり良くやわらか食感。 焼肉に、ステーキ、煮込みに大活躍ですが、 石井食品のオススメは牛タンしゃぶしゃぶ!

 ツラミ(ホホニク)

良く動く部位なので食感はかためですが、脂のりも良く旨味も強い。 焼肉にも煮込みにも活躍します。

 ハツモト(大動脈)

名コリコリ、タケノコ。岡山県北ではヨメナカセとも呼ばれてます。 別名にある通りコリコリとした食感が楽しめます。 身が厚い部分には隠し包丁を入れます。

 ハツ(心臓)

ビタミンB1、ビタミンB2、鉄分を豊富に含んでいます。 カットサイズを変えて、炒めものにも焼肉にもお使い頂けます。 きめ細やかな筋繊維で食感も良く、 脂肪分が少なく臭味もないため食べやすい部位です。

 サガリ・ハラミ(横隔膜)

サガリは脂少なめでサッパリ味、ハラミは肉の旨みたっぷりの部位です。 高タンパク質、ローカロリー、しかもやわらかいお肉ですので、人気の高い部位です! 一見赤身肉のように思われますが、肺にくっついている横隔膜なので内臓肉となります。

 ミノ(第一胃)

第一の胃で一番大きい胃です。あっさりとした味わいにサクッとした歯ごたえ。 肉厚の上ミノは焼肉に、薄い並ミノは煮込みなどにも適してます。

 ハチノス(第二胃)

第二の胃で内側のヒダがまるでハチノスの様に見える事からハチノスと呼ばれます。 食感はかたく、独特のにおいがあるため、一度ボイルしてから焼肉用にカットされます。 イタリアではトリッパと呼ばれ、トマトと赤ワインで煮込まれた料理が一般的です。

 センマイ(第三胃)

第三の胃で内側に沢山のヒダがあり千枚あるように見える事からこの呼び名に。 食感はコリコリ、味わいはサッパリ。焼き肉はもちろん、もつ鍋にも最適です。

 ギアラ(第四胃)

第四の胃で別名アカセンマイ。その名の通り淡い赤色をしている。 肉厚な身の中に旨味がぎっしりと凝縮されており、 ホルモン好きには外せない一品です!

10 レバー(肝臓)

鉄分、タンパク質、ビタミンA・B2が豊富な部位。 炒めもの、焼肉などはもちろんテリーヌやパテなど、 独特の匂いを取り除けば、この上ない一品になります。

11 ヒモ(小腸)

別名コテッチャンの名称で親しまれる部位。 脂が美味しく焼く時にも身から焼いて、2/3程度に縮んだら返して脂を適度に落とします。 もつ鍋に入れると旨味たっぷり、甘みのある脂が最高のもつ鍋に仕立てます!

12 モウチョウ(盲腸)

少量の塩が入った沸騰した湯で茹でると、独特の匂いも抑えられ、やわらかくなります。

13 シマチョウ(大腸)

名前の由来は身に綺麗な縞模様が入っているから。テッチャンの名称で親しまれる、 内臓の代表のような存在。脂のしっかりと残っている物は焼肉に、 もつ鍋に。脂少なめは味噌煮込みや炒めものにも最適です♪

14 テッポウ(直腸)

肉厚でハードな食感で、脂は少ないですが濃厚でコクのある味わいです。

15 テール(尻尾)

肉質はかなり硬めですが、コラーゲンが多く含まれ、煮込むことでゼラチン化してホロホロっとした食感に♬ テールスープが定番料理ですが、輪切りにしたテールを焼肉にすることも。 良く焼いて食べると旨味が凝縮された味わいです。

16 アキレス(アキレス腱)

いわゆる牛すじを呼ばれる、おでんの具で良く目にする部位です。 非常に硬い部位ですが、コラーゲン豊富で長時間煮込むことで、やわらかくなります。 赤身肉のスジなどと一緒に味噌煮込みするとこの上なく美味。

石井食品の国産牛ホルモン

食肉処理場から届いた新鮮な国産牛ホルモンにこだわり、 専属の職人により下処理をし、焼肉・もつ鍋用として、牛ホルモンの美味しさをお届けします。

おいしいステーキの焼き方

肉料理の代表格であるステーキ! 時には奮発して家族に食べてもらいたいと思うものの、 「おいしい肉は高く、安い肉は硬くていまいち……」と躊躇する人も多いのでは? そんな皆様へ! 安い牛肉でも、ジューシーで柔らかく仕上げる方法をご紹介します。
Step.1肉を常温に戻しましょう
冷蔵庫から出したての肉は冷たく、加熱に時間がかかります。 冷たいままの肉を焼くと、「表面は焼けたけれど中は生焼けだった」 「中まで火を通すのに時間がかかってパサパサになってしまった」なんていう失敗のもとに。 焼き始める15〜30分前に冷蔵庫から出し、常温に戻しておきましょう。 これは高級和牛の場合も同様に常温に戻しましょう!!
Step.2筋切りをしましょう
肉を加熱すると、肉の繊維質が急激に縮み、形や大きさが変わります。 反り返ってしまって上手に焼けなかったり、食べた時に筋を感じたりする原因に。 これらを防ぐために、切り目を入れて、繊維質を短くしておきます
Step.3は直前に
ジューシーなお肉を食べたいなら、塩をふるのは焼く直前! 早めに塩をして、長い時間置いておくと、お肉は固くなってしまいます。 これは浸透圧の作用で、塩をふって時間がたつとお肉の水分が流れ出してしまうためです。

★ワンポイント★ 塩は肉の量の0.8%〜1%が目安です(肉が200gなら1.6g〜2g程度)
Step.4フライパンで焼いてみましょう!
①常温のフライパンの上に肉を置き、弱火で火をつける。
※ステーキはまず強火で焼くというのが常識になっているかと思いますが、 肉汁が流れ出るのを抑える為に弱火でスタート。 この時フライパンからは音が聞こえてきません。
②肉の側面が半分くらいのところまで白く色が変わってきたら、ひっくり返します。
※ひっくり返した後も火力はそのまま、もう片面も同じように焼いていきます。 肉の表面にじわっと肉汁が浮かび出すと中心温度は55〜60℃(65℃は超えないように!)
③一旦、火を止めて余熱調理。
※火を止めフライパンの上で、そのまま肉を休ませる。(2分程度)
④火力を強火にし、両面に焼き目を付ける。
※最後に強火で焼く事により、肉汁の流出をおよそ半分に抑える事が出来るんです! まさにこの時「メイラード反応」を起こし、焦げ目を付け表面の細胞が壊れ、 噛み切れる状態へとなっていきます。
⑤肉の芯まで熱が浸透するように一旦フライパンから出し、暴れる肉汁を落ち着かせる。
※強火で焼いた直後の肉は肉汁が流れやすいので、より旨味を肉に閉じ込める為、 暴れる肉汁を落ち着かせます。そしてここでコショウをかけます。
⑥ソースの作り方

ステーキが焼きあがったら、今回は簡単に作れる和風オニオンソースをご紹介します。


材料(ステーキ約200gの場合)

たまねぎ……1/4個(すりおろし)

酒……大さじ2

みりん……大さじ1

醤油……大さじ1

にんにく……(すりおろし)少々


作り方

① ステーキを焼いたフライパンに酒、みりんを入れ、強火で煮立たせる。

② たまねぎ、醤油、にんにくを入れ、ひと煮立ちさせて完成。

⑦お肉をカットして、ソースをかけたら出来あがり
【お肉の豆知識】

メイラード反応ってご存知ですか?

加熱した状態で、糖とアミノ酸が反応して、茶色く色づき様々な香り成分を生む反応の事で高温の鉄板に肉をおくことで、 肉の表面の細胞が破壊され、細胞内に含まれていたアミノ酸と糖が流出する。それが鉄板の上で加熱され茶色く色づき、 香り成分が生まれる、これが「メイラード反応」。 「メイラード反応」がもっとも進むのは155℃の温度。 ガンガン熱したフライパンの上だと、急速に「メイラード反応」が進んでいく。 このように、ガンガン熱したフライパンで、しっかり焼き目をつけて、「メイラード反応」をしっかり引き起こしたステーキは、 本当においしそうな香りがして、ステーキという料理法の素晴らしさを感じられます。

“発酵熟成肉”の秘密 〜part.1〜

当社では2013年よりドライエイジング(乾燥熟成)を手掛け、試行錯誤を繰り返し商品化してまいりました。 そして2019年からは、より深化した熟成肉にするべく発酵熟成法に切り替えています。
昨今、「熟成肉」というワードが世間を賑わしていますが、 そもそも熟成肉って何?と疑問を持たれている方もいらっしゃるかとおもいます。 簡単に言うと、「肉を寝かして美味くする」という事なのですが、 生肉を寝かしておいて腐らないの?寝かすとどうして美味しくなるの?と益々疑問が深まるかと思います。 そんなわけで、熟成肉の歴史や美味しくなるメカニズムを紐解き、 より理解を深めて頂き、美味しい熟成肉をお召し上がり頂けたらと思います。

熟成肉の歴史

熟成肉の歴史は古く、欧州においてまだ冷蔵庫が無かった時代に冷涼な洞窟に肉をつるして保存したことに由来します。 その保存過程の中である条件が重なり、保存する為の技術が培われていったのではないかと推測されます。 保存技術の向上が、いつしか欧州のドライエイジング(乾燥熟成)の技術となり、 赤身のかたいお肉を、やわらかく美味しく食す事が出来る、熟成肉の文化が形成されたのかもしれません。 欧州の熟成肉は保存技術向上の過程の中で、偶然発見した美味しさだったのかも?と想像してしまいます。 その欧州のドライエイジング(乾燥熟成)を現在主流のドライエイジングとして確立したのが、ニューヨークスタイルと呼ばれる技術です。 今から約40年前に、ニューヨークのとあるステーキハウスで、お肉が熟成する為の条件を明確にして、より安定した熟成方法を確立させたといわれています。 日本においての熟成肉は、古来より和牛を熟成する枯らし熟成と言われる技法が存在していますが、昨今のブームの火付け役となったのは、10年ほど前に日本のドライエイジングのパイオニアと言える静岡にある会社が、専用の熟成庫を用いたドライエイジングの製造に成功したことによるものと、2014年に日本上陸した、ニューヨークの名店であるウルフギャングステーキがブームをけん引してきました。 ただし残念ながら、昨今のブームの中で正しい知識や製造技術を持たない、ただ冷蔵庫内に寝かしただけの腐敗に近いお肉を出している業者やお店も少なからず存在していることも事実です。 そういった混沌とした熟成肉ブームだからこそ、正しい知識を得て、間違わない熟成肉選びをしたいものです。

熟成させるとお肉はどうなるのか?

基本的に熟成させる目的は大きく分けて2つです。


お肉が持つ酵素の力で旨味を増加させる

お肉が持つ酵素の力で柔らかくする


熟成方法によって得られる効果に差はありますが、基本はより美味しくしちゃいましょう!という事が目的です。 お肉は熟成させることで、自己消化酵素が働き、 タンパク質が分解されて旨味の素である高濃度なアミノ酸に変化します。 そしてお肉には自由水と結合水が含まれており、 余分な水分(自由水=一般的にお肉を買ったときにトレーに溜まっているドリップと言えば分かり易いですかね) をゆっくりと飛ばすことで、水っぽさを解消し、より旨味が凝縮されたお肉へと変化します。 また、自己消化酵素の働きによってタンパク質が分解され、 スジのような筋膜自体の組織は弱まり、肉が柔らかくなるという効果を生み出します。 加熱したときに起こるタンパク質の凝固=お肉の固さをやわらげます。 こういった熟成の利点から、脂の多い=サシの良いお肉を熟成させるのではなく、安価な赤身肉の付加価値を高め、和牛とは違う魅力を味わうことが出来るのです。

熟成技法の種類

ドライエイジング(Dry Aging=乾燥熟成)

肉のブロックまたは枝肉(半身)などを、専用の乾燥熟成庫に一定期間保管する熟成方法です。 この熟成方法は一定の条件下でなければ成立しない熟成方法で、 「温度・湿度・風・時間・微生物」の5つの条件をコントロールしなければならない、 難易度の高い技術です。

庫内温度を1℃~2℃、湿度を70%~80%に保ち、送風して常にお肉の周りの空気が動く状態を作り、 ゆっくり時間をかけて自由水を飛ばし乾燥・熟成させてゆく。 乾燥させることで、お肉の味覚や香りもより濃厚なものになります。

そして低い温度下で活動・繁殖する熟成に適した無毒のカビ(好冷菌)を付着させることで、 カビが持つ酵素が脂質を分解し、ナッティーフレーバーと呼ばれる甘いナッツのような芳醇な香気をまといます。 また熟成に適した無毒のカビを付着させることで、有毒なカビや腐敗・食中毒菌の侵入を防ぐことも出来ます。

しかし、乾燥させることで20%~25%程度の重量減少が見られ、さらに表面に生えたカビを除去する「トリミング」を行うことで、 可食部は50%~60%程度まで減ることから、 歩留りロス、熟成庫の設備・電気代などのコストもかかり、価格は高めになります。

ウェットエイジング

熟成肉と呼ばれる肉の大半は、このウェットエイジングという手法が取られているのではないでしょうか。

乾燥させず、脱骨した各部位に分けられたブロックの状態で真空パックにして、冷蔵保存熟成させる方法です。 水分を飛ばさないため歩留まりも良く、コストも余りかからないため一般的に普及しています。 ただし空気に触れさせない為、自己消化酵素によるタンパク質の分解速度はゆっくりとなり旨味の増加と言う点では他の熟成技法に比べ抑えられます。 また自由水も多くふくまれた状態のため、旨味の凝縮と言った効果は出にくい熟成となります。

枯らし熟成

元々日本ではこの枯らし熟成は古くから行われていました。 牛の枝肉(半身)を一定温度の冷蔵庫に吊るし、ゆっくりと水分を抜いて熟成させます。 この過程の中でドライエイジング同様、カビが付着する事も有ります。

以上、今回はこの辺りまでとさせていただきます。 次回、本題である「発酵熟成肉」の秘密にさらに迫りたいと思います。